MENU
ばルるる
サウンドデザイナー / ディレクター / 音効屋
主にコンシューマゲーム中心、稀にアニメの音作ってる人。の、そんなにサウンドと関係ない物置的なHPです。
あくまで裏アカとしてひっそりと。

サウンド目線で Ryzen7000 / 13世代Core 比較

AMD Ryzen7950x と Intel Core i9 13900K、ほぼ同時期に発売されたCPU。
単純なスペック比較はゴロゴロ落ちてますけど、サウンド目線でどうなのよ?
というのはあまり見掛けないので、サウンドデザイナー / サウンドクリエイター目線で軽く比較。
※あくまでメモ書き程度です。

■前提
基本的にCPU以外、細かな差異はありますが、なるべく同じ構成で組んでいます。
以下共通要素
——————-
・CPUはどちらも定格で使用
・マザーボード:msi CARBONシリーズ(X670E / Z790)
・グラボ:Geforce RTX 3080 12G
・メモリ:DDR5-5600 OC 64G(AMD EXPO / XMP) ※32Gの2枚挿
・SSD:M.2 (Gen4)
・OS:Windows 11 (22H2)
——————-

■まずは参考までに上記構成でCinebenchR23のベンチ結果

Multi CoreSingle Core
AMD Ryzen 7950x377742034
Intel i9 13900K381602214
Intel i9 11900K149591649
※比較用に以前使っていたi9 11900Kも一応

概ねよく見かけるレビュー通り。
レビュアーによってまちまちですけど、私の環境だと13900Kがやや優勢な結果に。

■検証方法
2つのDAW、Nuendo 12.0.40(Cubaseと同エンジンのハズ)とREAPER v6.68で全く同じプラグイン構成・トラック内容のセッションを作り、その書き出し時間をそれぞれ計測。
※再度言いますがあくまでメモ書き程度の検証です。

■TEST1~3

アニメ1話相当、23分のMAを想定した書き出し尺に、
以下画像のプラグインを立ち上げて書き出し時間を測定
使用プラグインはBOOM LibraryやKrotos、SoundParticlesといったデザイナー系のものを中心にiZotope やFabFilterやSpectrasonicsなど一般向けからもチョイス、個数はそこまで多くないですが、Enrageの中で重めに組んでます。

TEST2ではトラックやプラグインをこの1/3程度に。
TEST3ではトラックは1つのみにし、プラグインもマスターにいくつか挿してるのみに。

TEST1

TEST1NuendoREAPER
Intel i9 13900K21分29秒10分18秒
AMD Ryzen 7950x26分15秒10分55秒
↑Nuendo × 7950x は実時間を超えているので限界値を超えてますね。
 にもかかわらずREAPERはダブルスコアで余裕。

TEST2

TEST2NuendoREAPER
Intel i9 13900K11分37秒6分55秒
AMD Ryzen 7950x11分41秒7分40秒

TEST3

TEST3NuendoREAPER
Intel i9 13900K4分18秒3分53秒
AMD Ryzen 7950x4分07秒5分05秒

概ねは i9 13900K が優勢かなといった具合、ただ逆転する事もあるし、なんとも言えない感じですね。
TEST1のNuendoでのRyzenとCore iの時間差は結構デカいですが、以下のTEST4ではそれが逆転するので、結局好きな方で問題ないかも?

てかこの結果だけ見ると、CPUどうこうよりも…DAWの性能差が浮き彫りになってますねぇ…。

Nuendo(Cubase)が重い。TEST3のように負荷を減らすと気にはならないものの、
負荷を掛ければかけるほど、動作激重でREAPERにダブルスコアの大敗
パフォーマンスモニター確認するかぎり、マルチスレッドの割り振りがあまり上手く機能していない感じ。
ぜひ今後改善してもらいたいところ。

■TEST4

オマケ:これは今実際に作業中のプロジェクトを単純に書き出してみたテスト
※Nuendoで作業しているものなのでREAPERのデータはありません
 &plugin構成もTEST1~とは変わってきますが、書き出し尺は同様23分。

TEST4Nuendo
Intel i9 13900K15分40秒
AMD Ryzen 7950x12分02秒
Intel i9 11900K21分05秒

ここに来て初めてRyzen 7950Xが圧倒してるんですよね。
このTEST4のセッション、TEST1と比較して大きく違いそうなのはOmnisphereの立ち上げが多いのと、
トラック数が400程度(TEST1は20程度)で、Native Instruments や FLUX、LiquidSonics系…他のプラグインをちらほら使っているけど、他はそれほど差異は無い…とは思いますが、どこに理由があるのやら。

DAWの検証は難しい…プラグイン次第でどうにでも変わってくる。
TEST4は実際にまさに今案件で作業しているセッションなので、より実践的な構成で、
自分用という意味では一番参考になるといえばなりますけども。

私はサウンドデザイナーであって、コンポーザーでは無いので、音源はそこまで多様しませんし、
音源の処理はもしかしたらRyzen 7950xが優勢という可能性はあるかも?そもそもVIENNA ENSEMBLE PRO等を使えばまた全然結果は変わってくかもしれないし、いずれ気が向いたらテストしますかねぇ。

ついでに言えば、ゲームサウンドデザイナー視点だとUEやUnity、WwiseやADX2との相性もあるし、
結局どっちがいいか決め手の見つけられないテストになってしまった。(困った)

…という訳で、簡単なCPU比較メモでした。

  • URLをコピーしました!